君と出会うために(8)

 

 

 

由良の化粧姿に見惚れているオレに・・・由良はクスクスと笑っている。

 

「凪って、ボ―ッとしてること多いよね?」

 

それは由良を見ている時だけだと思うんだけど・・・。

普段、健太郎とかと一緒にいる時は・・・しっかりしてるって言われてるし。

 

「凪はもう用意出来たんだよね?ボクも終わったから、さっきの撮影場所に行こ。」

 

相変わらずボーッとしていたオレに、声をかけて由良は先へ先へと一人で行ってしまった。

 

 

 

 

 

「由良〜、こっち向いて。」

 

カシャッ・・・カシャッ・・・・

 

カメラのシャッターを切る音だけが、部屋に響いている・・・。

 

撮影が始まってから、オレと由良はまだ一緒に撮影をしていない。

カメラマン曰く、“1人ずつ撮ってから、2人で撮るからね。”と言うことらしい。

オレは撮られる感じが分からなかったので、由良が先に撮ってもらった。

見ていると、由良独特の魅力が溢れ出している。

 

うわ〜由良の奴・・・何でそんなに色気があるんだ?

そんな風に見えるのはオレだけか?

惚れた弱みで・・・。

 

次・・・オレの番なのに、余計に自信なくなるよ・・・。

オレに色気なんて、ないような気がするし・・・。

 

「はい。由良と凪くん交代してくれる?凪くん・・・緊張せずにラクにしててね〜。」

カメラマンの人が、オレにプレッシャーをかけないように声をかけてくれた。

 

でも・・・言われた方が、プレッシャーが重く圧し掛かるんだけど・・・。

もしかして、それ狙ってたりして・・・。

 

 

交代する時に、由良がボソッと声をかけてきた。

「凪、がんばってね。凪なら何もしなくても十分色っぽいから大丈夫だよ。」

 

んん?

どういうことだ?

何もしなくてもって・・・。

 

考えることも出来ないまま、撮影が始まった。

 

 

「凪くん、もう少し切ない表情してくれるー?」

 

ど素人のオレに、切ないなんて・・・そんな顔できるわけないだろ。

由良のことでも思ったら、切ない表情になってるかな・・・。

 

「はい、OK!じゃあ今度は2人で撮るからね。凪くんが由良を囲むような形で、2人とも座ってくれる?」

 

本当に由良のことを考えてたら、OKだされた。

 

今ので良いんだ〜って思っていたオレに、由良がオレの足の間に座り込んできた。

由良は上目使いで、オレの方を見る。

 

「由良、凪くんの胸に頬擦りして。」

カメラマンの声が、オレたちに指示を出す。

 

由良はオレの胸にもたれ掛かってきた・・・。

「凪の心臓・・・ドキドキしてる・・・。写真撮られることに緊張してるの?」

 

このドキドキは、由良に対してに決まってるじゃないか。

好きな人がこんな・・・自分の胸に頬擦りなんかしたら・・・。

誰だって緊張するだろ?

由良の息が胸にかかって・・・ゾクゾクしてくる・・・。

 

「じゃあ次に、凪くん。由良をイタぶるようなことしてみて。」

またもカメラマンの声が、オレたちの耳に届いた。

 

由良をイタぶる・・・?

じゃあ、こんな事やっても良いのか・・・?

 

オレの胸に頬擦りをしている由良の耳に、そっと口を近づけて・・・フッと息を吹きかけた。

 

「んっ・・・あっ・・・。」

由良の口から、甘い声が漏れる・・・。

 

オレは由良の耳たぶを、舌先で舐めて甘噛みをした。

 

「あっ・・・・んんっ・・・はぁ・・・。」

由良の声が、凄く熱っぽくて・・・色っぽい・・・。

 

由良の声を聞いて、体の中心が熱くなってきた・・・。

 

やばいっ・・・何でこんなところで・・・。

いくら何でも由良の声だけで・・・オレ、変態みたいじゃないかっ・・・。

おさまれ・・・。

おさまれ・・・・・。

おさまれ・・・・・・・。

 

 

「あっ・・・・・。」

すぐそばで今にも消え入りそうなぐらい、小さな声が聞こえた。

 

「凪のモノ・・・が大きくなって、ボクの腰に・・・当たってる・・・んだけど・・・。」

 

由良の顔が・・・薄っすらと赤くなっていって・・・オレの体から抜け出そうとした。

 

こんなところで逃げられたら・・・変態と勘違いされて終わってしまう・・・。

それだけは、勘弁してくれ。

 

慌てて由良を抱き寄せて、耳元で囁いた。

「ゴメン・・・。でも、撮影終わるまで我慢して・・・。」

 

・・・・・あれ?

 

今、由良が離れようとして引き戻して・・・由良がオレの太腿をまたぐような格好になったけど・・・・・オレの太腿に、何か熱いモノが当たっている・・・。

 

もしかして・・・・・。

 

「由・・・・・良・・・?」

 

由良の顔は、さっきと比べものにならないくらいに・・・耳まで赤くなっている・・・。

 

やっぱり・・・・。

オレの太腿に当たるものは・・・。

 

 

「由良のモノも・・・大きくなってる・・・?」

 

 

 

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