■ 強風と波浪 ■

 

 

「なぁ浪。今日カサ持ってきてるん?」

「あぁ、朝の天気予報で昼から雨やって言ってたから持ってきてんで。風、お前、忘れたんか?」

「忘れた。浪のカサ貸してくれへん?」

「俺はどうすんねん。」

「濡れて帰ってくれや。」

「あほか。一緒に俺のカサで帰ったらええやろ。」

「嫌やっちゅーねん!何が楽しくて男同士で相合傘で帰らなあかんねん。」

「風、俺たち付き合ってるよな?だったら別に…。」

「それとこれとは別や!!」

お昼休み、昼飯を食べながらず〜っと言い合いしていた俺と浪は、結局俺が浪に言い含められて、一緒に帰ることになった。

一応、俺こと小早川 風(こはやかわ ふう)と、浪こと甲田 浪(こうだ ろう)は付き合ってる。

高校に入学したときから俺と浪はめちゃくちゃ気があって、毎日つるんでいた。出会ってから1年と2ヶ月、こうして長い年月を経てどうにかこうにか恋人同士になったのだ。

付き合い始めたのも、つい2週間ほど前で、俺はまだ何となくしか実感がなかった。

浪は俺のこと、どこを好きになってくれたんやろう。

背は低いし、言葉使いは悪いし、頭は悪いし、顔もお世辞にはかっこええとは言われへん。

どっちかって言うと、女どもからおもちゃにされるような顔や。

そのくせ浪は、クラスで一番背高いし、言葉使いは折れと一緒で悪いねんけど、頭はエエし、なによりも女にめちゃくちゃもてるんや。

ほんとに俺のこと好きなんか、不安になるねん…。

 

 

「なんじゃこの雨は――――!?」

しぶしぶ浪のカサで恥ずかしさをこらえて一緒に帰ろうと思ったのに、学校の校舎の外はカサをさせる状態の天気じゃなかった。

台風でも来てるかのような大雨と強風にみまわれて、学校から見える海の波はすごい荒れていた。

これやったら…カサをさしてたら、壊れるんがオチやな。

「しょうがないな。カサをやめて走るか?俺の家までやったら5分で着くから、頑張ってそこまで全速力で走るで?いいな、風。」

「おう!浪の家までやったら楽勝や。そうと決まれば、行くで!!」

俺と浪はどしゃぶりの雨の中へと体を突っ込んでいった。

ものの数mも行かないうちに、全身が雨で覆われる。

浪の家に着くころには、俺も浪も全身ずぶ濡れの状態になっていた。

 

 

「ほら、タオル。風、湯出るはずやから、お前先入れ。風邪引くで。」

浪は高校に入ってからずっと一人暮らしで、俺は何度も浪の家に入ったことはあったけど、付き合い始めてから入るのは、今日が始めてだった。

「浪ん家やねんから、浪が先に入りーや。俺は大丈夫やって。」

「風が心配やから先に入れって言ってんねん。そんなに先に入るんが嫌やったら、一緒に入ったってもエエけどな?」

「先に入るわ。」

 

熱いシャワーを浴びながら、俺はさっきのことを考えた。

浪と一緒にお風呂やなんて、恥ずかしくって入れるわけないやろ。

だいたい1年2ヶ月も一緒におれば、何度も浪の裸を見たとしてもやで、付き合いはじめたりしたら別とちゃうんか?

恥ずかしいのは俺だけなんか…?

シャワーを浴び終わって浪と交代した後も、暑いのでジーンズをはいて上半身裸のままで浪の部屋のベットの上でずっと考えていた。

付き合いってから初めての浪の部屋。

今まで来た時と何か雰囲気違うような気がするのは俺だけなんかな?

何やこの状態って…もしかして…やることって一つしかないちゃうんか?

俺…そんなんやったことないからわからん。

俺がベットの上で頭を抱えてどうしよう?と悩んでいると、シャワーを浴び終わった浪が同じくジーパンで上半身裸のまま髪の毛をバスタオルで拭きながら入ってきた。

「風、俺を誘ってるんか?」

朗はそう言うと、ベットに座っていた俺のそばによりゆっくりと俺の上に乗っかってきた。ふかふかなベットの上に倒れた俺が浪を見た途端、浪の薄く、形の良い唇が俺の唇に触れて、『ちゅっ』と音を立てて離れていった。

「あっ…。」

浪の唇が離れた時、俺は名残惜しいと言わんばかりの声を出していた。浪は驚いた顔をして、笑って、もう一度俺の唇に触れた。一度目とは比べ物にならないぐらいに濃厚なものに俺は息を吸うヒマもなく翻弄された。

「んんっ…、ンッ……くっ…。」

苦しくなって浪の背中に助けを求めるように両腕を廻す。

浪の唇が離れ俺が大きく息を吸っていると、浪は頬や首、鎖骨へと唇を這わして時よりきつく吸って俺の身体にたくさんの痕を残した。その度に俺は、自分とは思えないような声を出してしまった。

「……っ……、あっ…。」

太腿に当たる浪のモノが大きくなっているのが分かる。

こんなんだけで浪…俺に欲情してんのか?男の俺なんかに…。

何か…嬉しいかもしれへん。

俺のジーンズのジッパーをゆっくりと降ろして、浪は手を中に入れてきた。トランクスの上から俺もモノをつかまれて、いきなりの刺激に俺のモノは反応してしまった。それとは反対に俺自身は身体が緊張してがちがちになっていた。

「力抜き…。俺は風のことが好きや。だから絶対痛いことはせーへんから。」

浪の声とともに俺のオデコにキスをしてくれた浪の顔は、俺のことだけを見ていて嬉しくなって俺も浪の鼻のてっぺんに帰すを返した。さっきまでの緊張はすべて消え去っていた。

自粛すること自体ほとんど経験のない俺は、浪の手によって刺激を与えられているだけでいっぱいいっぱいだった。

「やっ……あか、んって……出てま…う……んんっ。」

さっきよりも滑らかに浪の手が俺のモノにまとわりついて、ときより指先で先端を抑えられ強い刺激を与えてくる。俺のモノからはとろりとした液体が流れてくるのが何となく分かって、恥ずかしさを覚える。目をつぶると、浪の手の動きだけに集中して自らも腰を振ってしまいそうになった。

「あかんとちゃうから、出してもええで?」

「いややっ…あっ、んあっ…だっ…て、汚い…やん。」

「風のんやったら、汚くない。」

「んっ…ンッ…やぁぁっ…、あっ、あっ、あああああぁぁ―――。」

俺は今までに感じたことのない強烈な快感に、白濁を出したと同時に意識を失った。

 

 

冷たい何かが俺の頬に当たっている。それに気付いた俺は、目をゆっくりと開けた。

目の前には、浪が手を俺の頬に当てて、心配そうに俺を覗き込んでいる。

「……ろう。」

「あ、風、気がついたん?良かった…俺、風が気失ったときどうしよかと思ったわ。」

「最後まで出来んくって……ゴメンな?」

「そうなんええって。気にすんなや。」

浪の笑顔を見たら、急に俺は泣きそうになった。もっともっと浪を好きになった瞬間だった。いつか…近いうちに、本当に出来たらええのに…そう思った。

「ん、ありがとな。」

「俺は風が受け入れようとしてくれただけで満足やし。またいつでもオッケーやで。それに…風の可愛くって潤んだ顔や、可愛くって色っぽい声や、可愛くってちっちゃくて小ぶりな風の分身も見れたしな。」

さっきまでの涙はどこへいったというぐらいに、俺は浪のアホさにため息をついた。

上機嫌で話している浪の頭に俺はげんこつをくらわした。

 

「ちっちゃくて小ぶりとか言うてんちゃうぞ!!ボケェ!!!」

 

Happy End(?)


3名限定無条件リクの1発目アズサさまv

『甘々で「アツイっちゅーねん!」と突っ込みたくなるようなお話を希望です。これから雨の降ることが多くなるので、相合傘とかいいですね。でも、外ではあまりベタベタじゃなくて、どちらか片方が照れちゃってるのがいいなぁ、なんて思っています。もちろん、家の中ではベタベタ甘々で(笑)』

なんて楽しい設定なんでしょうか…///もちろん最初は大阪弁ってのはなかったんですけど、ユエが大阪弁にしたいためにアズサさまからお許しを頂きました(笑)

二人の名前は、もちろん題名をつけてからつけました♪浪と風なんて…ちょっと分かりにくいかも知れないんですけど、ユエ的には気に入ってますvv

読んで頂いてありがとうございますvもしよければ、BBSにもカキコしていただければ、もっと喜びますvv

 

 

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