10万HIT記念小説
Beautiful Life
-5-
聞きたいことは、後少しある。
「会社で初めて会った時、どうしてあんなに冷たかったんだ?それも…恥ずかしかったから?」
「あの日、先に帰っちゃって、きっと宏明さんが怒ってるって思った…。だから、本当はね、宏明さんのことが好きだけど……。」
私が滸を怒ってる?
滸が私を好き?
今…とんでもない勘違いと本音を聞いたぞ?
私が茫然としている間に、滸の瞳は涙で溢れていた。慌てて親指で両目とも拭ってやった。
「怒ってなんかなかったに決まってるだろう。それよりも滸、私のことが好きって本当か?」
「……本当だもん…。宏明さんが好きなんだもん。抱いてもらうのも、宏明さんはきっと慣れているだろうから、初めてだ…なんて言えなかったんだよ。」
初めてだったのか?
どうりで締まりがいいと……。って違う違う、今はそんなことに感心している場合じゃなかった。
「嬉しい。滸がそんなに私のことを思っていてくれてたなんて。」
華奢な身体をしっかりと捕まえ抱きしめた。
「あの日、滸を抱いてから、ずっと滸のことを探していたんだ。きっと会った瞬間から私も好きだったんだ。それなのにやっと出会えたと思ったら滸は私に冷たいし…。」
「それはっ………んっ!」
滸の何か言いたそうな口を唇で塞いでしまう。あの時と同じように身体を両腕でお姫さま抱っこをして寝室へと移動した。滸は落とされないようにと私の首に腕を巻きつけている。
「やっ……あっ、あっ……ぅんあ…。」
滸のすでに先走りして濡れているペニスを抜きながら、後ろの蕾を舌で解かしていく。ビクビク震える滸の腰にあわせながら何度も舌を出し入れした。
「ひっ…うっ……ひぅぅぅ……。」
指を使いじっくり時間をかけて解かしていき、とろとろになった後私はペニスの先端を蕾に押し付けた。
「滸……入れるぞ?」
「…んっ……ぅん…。早…く……。」
徐々に先端を埋め込んでいき、滸とぴったり身体がくっつくまで奥まで侵入した。滸は少しだけ苦しそうに息を整えている。すぐにでも動きたい気持ちを抑えて、顔中にキスを降らす。
じっとしていると、滸の蕾が伸縮しているのがはっきりと分かった。
「ね…。もっ……。」
熱っぽい瞳で見つめられて、私のペニスは蕾の中で容量を増した。それに伴って、滸の身体もビクビクッと動いた。
滸の良い所を探すように、ゆっくりと動き出す。奥で先がぶつかるたびに、滸のペニスは先走りがピュッと飛び出す。
「滸…今度は勝手に帰ったりするな。私と滸は恋人なのだから。分かったね?」
ゆるゆるとした動きばかりで、決定的な快感を与えずに滸に言い聞かせた。
「うん。うん。わかっ…た……、から……。」
滸は一生懸命に頷きながらも、耐え切れないというように涙目で私を見つめてきた。
そんな目をされたら、何でもお願いを聞いてしまいそうだ。
身体を密着させるように滸を持ち上げて、そのまま下へと降ろした。滸の全体重がかかって、私のペニスは深々と突き刺さる。
「うあぁっ……あっ、ひあっ……。」
「くっ…そんなに締め付けるな。」
滸の蕾は無意識にぎゅっと閉ざされて、私のペニスを離そうとしなかった。全て持っていかれてしまいそうな感覚だった。
私と滸の身体の間に挟まれた滸のペニスを上下に擦ってやる。少しずつ蕾から力が抜けて、下から勢いよく何度も突き挿す。
「ひぃぃぃっ……!」
「滸……、ほと…り……。」
「やっ、もっ、だめぇ!あっ、あぁっ、やぁああああああ――。」
滸がイってしまったと同時に蕾が引き締まって、私は滸の奥深くに精液を打ち込んでいた。
二人同時にベッドに倒れこむ。荒い息を整えながら、まだ頬が火照っている滸を胸に抱きしめた。
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「滸、身体辛くないか?」
「んっ……。あっ…あの…私は……。すみません…。すぐに帰ります。」
胸の中でしばらく放心していたが、滸は正気に戻って顔を真っ赤にして私から離れようとした。腕に力を入れて、逃がさないようにする。
「勝手に帰らないと約束しただろう。」
昨日のことを話してやると、思い出したように滸は顔だけじゃなく耳も首も赤くして布団の中に潜り込んで顔を隠してしまった。
「どうして隠れてしまうんだ?滸の可愛い顔を見たいんだがなぁ…。」
「可愛くなんてないです!」
急に布団から飛び起きて、強く否定する滸はやっぱり可愛かった。腕を引っ張って、すぐに胸に抱き直した。
「やっぱり可愛い。」
今まで見せてくれなかった滸の可愛い一面を見ることが出来て、会社に行くまでの時間、たっぷりを可愛がった。
#
「社長。これからの予定ですが…。」
「あぁ、頼む。」
「11時から営業の布施部長との打ち合わせ。お昼からは溜まりに溜まっている書類を片付けてください。お昼は布施部長とですか?」
「あぁ。…滸も一緒に来い。お昼奢ってやる。」
どうせ布施は後輩の枚方を連れて来るだろうからな。私も滸を連れて行っても文句は言わないだろう。
「お言葉ですが、職務中に名前で呼ぶのは止めて下さい。お昼はご一緒させていただきます。それから…昨日のイー・エム・シーの乾社長のお嬢さんからお電話がありました。『今度は父抜きでお食事致しませんか?』です。お返事はご自由にどうぞ!」
最後の方は口調がきつくなっていた。
椅子から立ち上がってドアの近くに立っている滸に近づいて、ゆっくりと腰に手を廻す。
「返事は適当にして断るさ。私には滸がいればいいから。」
「なっ…!そんな恥ずかしいこと、こんなところで言わないでください!」
逃れようとする滸をしっかりと捕まえて、耳元にふっと息を吹きかけた。
「んあぁ………。」
途端に滸の身体の力が抜けていく。腰に廻した手で倒れないようにしてやる。潤んだ瞳で見つめてくる滸に、私のペニスは当然反応を示した。
秘書の仕事を忘れるぐらいに濃厚なキスをかましてやった。
-Happy End-