僕はあなたのもの

 

 

 

運命の赤い糸を信じる?

いつも言葉を交わすカウンター越しに、そう問うたらあなたはなんて答えるだろうか。

僕は信じるよ。

だって、こんなに広い世界で、同じ時空、同じ街で僕はあなたに出会えたのだから。

ほんの少しあなたが来るのが早かったら、僕はあなたにあえなかっただろうし、あの時にあなたに会っていなければ、僕は二度とここには座っていなかったと思う。

どうしてもと頼まれた祖父の店の店番。

あの日から僕は、頼まれてもいないのに、毎日放課後になると、ちゃりで30分も掛けて祖父の店に来てるんだから。

懐かしく誇りっぽい古書の薫りに包まれた店の中は何となく今の時代に取り残されたような静かな空間。

昭和初期に開業したまま一度も手を加えていないという、良いようにいえばノスタルジックで悪くいえば古くさい店があなたの出現でオアシスに変わる。

あなたが歩けば空気は花の香りを纏い。

薄暗い店内がが嘘みたいに明るく感じられる。

だから僕は信じてる。

あなたは僕の運命の人。

だって、僕はあなたを一目見た途端に胸が苦しくなるような恋に落ちちゃったんだから。

あなたはとても綺麗でとても利発そうでとても優しくて、とても・・・・・・

ああ、言い出せばキリがないほど、美徳とか稀な容姿をもっているけど、僕はきっとあなたがこんなに美しくなくても、あなたが僕と変わらない知識しか持って無くても、あなたが僕に優しい笑顔を向けてくれなかったとしても、きっと僕はあなたに恋をしたんだと思う。

だって、あなたは僕の運命の人だから。

赤い糸で結ばれた世界でたった一人の大切な人だから。

ほら、今日もあなたがやって来た。

真っ赤な運命の糸に導かれて・・・・・僕の元へ

あなたは今日もにっこりと僕に微笑み掛ける。

僕があなたにとって運命の人だから。

僕は信じてる。

信じてる・・・・・・

あなたが一歩一歩僕に近づいてくる度に、僕の胸がドキドキと鼓動を早める。

ああ、僕は信じたい。

あなたが僕の運命の人だって・・・・・・

そして、いつかの日か僕はあなたに告白する。

「僕はあなたのものだよ」って

〈THE END〉


1万HITのお祝いに、『crystals of snow』の氷川 雪乃さまから頂きました〜vv

雪乃さまには、OPENする前からお世話になっていたのです。

こんな…こんなにいじらしい少年をありがとうですvv

本当に、ありがとうございます!!

 

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